作詞作曲家のなかにし礼氏が亡くなりました。


享年82歳。


代表作として、「恋のフーガ」(ザ・ピーナッツ)、「北酒場」(細川たかし)、「石狩挽歌」(北原ミレイ)、「まつり」(北島三郎)、「AMBITIOUS JAPAN!」(TOKIO)などがあげられる氏の作風は、演歌からJ-POP、に至るまで多岐に渡ります。


また、クラシック音楽にも造詣が深く、ベートーヴェンやモーツァルトなどの楽曲の訳詞を手がけられていたそうです。


先日亡くなった筒美京平氏同様、「昭和の音楽」を語る上ではずすことのできない方でした。


昨日は中村泰士氏が亡くなっていたこともわかり、いよいよ昭和が遠くなっていくなという気持ちがして、昭和生まれの自分には寂しい年暮れです。


さて、なかにし氏の才能は音楽の世界だけに留まることはなく、小説家、演出家としても優れた作品を多数残し、つい先年まではTV番組に辛口のコメンテーターとしても出演。


「超オールラウンドプレイヤー」という称号を差し上げたいほど、その生涯を様々なチャレンジに費やした82年間は実にアクティブなものだったようです。


昨年は、これまで一緒に仕事をしたことのなかった矢沢永吉氏から「今度のアルバムが自分にとって最後の作品になるかもしれない。最後の歌はなかにしさんに書いてもらいたい」と依頼され、「いつか、その日が来る日まで・・・」という曲の歌詞を書いたとのこと。


あの「えいちゃん」が直々にそんな依頼をするなんて、やはり只者ではなかったのだなと感じました。


晩年は度重なるガンや心臓病などと闘いながらも週刊誌上にエッセイを寄稿し、新聞に連載記事「時代の証言者」を載せるなど、最後まで自らの言葉を発信し続けた「ぎゅっと身の詰まった」82年の生涯だったと思います。


なかにし礼さん、たくさんの素敵な曲をありがとうございました。


今はどうかゆっくりとお休みください。